コーチング

駅伝における"流れ"について

みなさん、こんにちは!志方です。

箱根駅伝をみていて、先頭で走っている大学が後半になると、みんな区間賞を連発してどんどん後続を引き離す光景をよく見ないでしょうか。

とくに最近の高速化駅伝では、それが顕著です。

今回はそれが流れということであるということと、その流れについて自分なりに解説していこうと思います。

流れの正体

まず最初に流れって何なのって話ですけど、現在もスポーツは人間が行うものになるのですが、スポーツの勝敗を左右をするのは当然、肉体的な強さは言うまでもないのですが、

人間である以上、感情というものが混ざってきます。

これがメンタルということなのですが、このメンタルの状態によって自分の持っているものを引き出せるかどうかというのが決まってきます。

チームスポーツではとくにこのメンタルという部分が大きく揺さぶられます。

ここでやらないといけない力み

とくにわかりやすいのは、ここで自分がやらなきゃという必要以上に自分にプレッシャーをかけてしまう場面です。

例えば野球なんかでは、9回裏2アウト満塁の場面で自分に打席が回ってきてここで自分が打てばサヨナラ勝ち、凡打や三振をすれば負けという場合、

ホームラン、ヒット、フォアボールになればOKなのですが、ここで力みが生じて本来ならヒット性のあたりでも凡打をしてしまったり、2ストライク3ボールまでいけば、フォアボールも頭にちらついてストライク、ボールの判断ミスが出てしまったり

やらないといけない場面というのは、余計に力を入れさせてしまって自滅に追いやってしまいます。

メンタルによる影響

よく野球では、流れが良い、悪いなんて言われるんですが、チームにヒットが出たり、ホームランを撃ったり、フォアボールが出たりすると、チーム内で"やった!!!"という雰囲気になります。

そうなると自分もやってやる!という思いだったり、前向きな感情の中でプレイができるので、自然と変な力みが消えて能力通りの力を出しやすくなります。

その一方で、打たれた側のチームにとっては、まずはピッチャーのメンタルの変化によって投球が乱れたり、余計な力みが入ってボールに力強さが無くなります。

そうすればまた打たれてしまうという負の雰囲気に包まれます。そうなってしまえば、守りのリズムも悪くなってバッティングの方にも力みが入ったり、今日は負けという諦めも入ったりするとパフォーマンスがガクッと下がってしまいます。

チームスポーツはそれが味方に良くも悪くも伝染してしまうので、全体的にパフォーマンスが上がったり、下がったりすることになります。これが流れの正体になります。

駅伝での流れ

陸上競技は個人スポーツですが、駅伝になるとチームスポーツになります。

そうなると流れというのがでてくるのですが、それが戦略的にとても重要になってきます。

流れが悪いと先述した通り力みが出てしまったり、そもそも暗い気持ちで走ったりして、選手本来のパフォーマンスが出せなかったりして順位にとても影響してしまいます。

とくに1区というのが大事で、このスタートでコケてしまうと2区以降にかなり影響が出てしまいます。

だから、1区にはエースを投入したいぐらいでエースであればほぼ確実に流れを作ってくれるのですが、箱根駅伝はどの区間も距離が長く、特に2区なんかは前半はみんな突っ込むのにコースがタフだから2区にエースを使わざるを得なくなってしまいます。

でも1区は流れを作るのに超重要なので、チーム内の2~5番手くらいの選手を使って、確実に良い順位で持ってきてくれるようにしないといけません。

昔だったら、1区で出遅れても2区の選手が力のある選手であれば、その出遅れをモノともせず一気にごぼう抜きして順位を上げて、ゲームチェンジャーの役割をしていましたが、

現在では、周りのチームもそれ相応の選手がずらりと揃っているのでそう簡単に順位を上げることができません。

ここで流れが出てくるのですが、前でもらえればそこまで最初ペースを上げすぎなくても自分のペースで行くことができます。それでも最初の1kmなんかは2分45秒とかで入るだろうしね。

ここで後ろでタスキを貰う場合だと、当然順位を上げなければいけません。順位を上げるということは、前を走っている人よりも速いペースで走ることになります。

そこで自分のペースで走れれば良いんですけど、どうしても前に人がいると勝手に力んで突っ込んでしまいます。

ここからがポイントなんですが、自然と走っての2分45秒と、前を追いかけないといけないと焦りながらの2分45秒では疲れ方が全然違います。

それぞれ2分45秒で入るもんだから、差は縮まらないわけですが、後ろ側の心境としては突っ込んでるのに差が縮まらないとなるとさらに焦り始めます。

そうなると次の1kmもペースは落とせないという心境になり、自分で自分を追い詰めます。

前を走っている選手は、最初の1kmこそ速く入りましたが、そこまで力んで入ってないでしょうし、うまくペースにも乗れるだろうしで、その後も多少のペースダウンは許容範囲内と大きい心で走り続けることができます。

そこの差がどんどんついてきて、差が大きくなっていくわけです。

2区なんかはエース同士のぶつかり合いなので、みんな精神的にも成熟しているだろうから、どんな位置だろうと自分の走りができると思いますが、とくに後半区間になってくれば、これで勝負が決まってしまうと思うので優勝争いをしているチームだと余計に影響があると思います。

箱根駅伝に関していえば、なるべく3区までに流れを良い流れに持っていきたいところですね。

箱根駅伝2026で見る青山学院の流れ

今年の箱根駅伝では青学が優勝しましたが、1区は16位と出遅れました。

僕の周りでは、みんなそこで今年の青学は終わったと思ったということを言っていましたが、僕はそうは思わなくて2区で順調に順位を上げれば5区でどうにかなるんじゃないかと思ってました。

結局2区で区間10位ながら11位まで順位を上げてきたので、やっぱりと思いました。

4区までに順調に順位を上げて5区の黒田選手に繋いだのでこれは早稲田やられる~と思いましたね。

5区黒田の安心感

ここからは想像の話になるのですが、青学の選手が1区で出遅れても5区黒田がいると思えば、自分はちょっとだけ順位を上げれば良いという無駄に頑張らないといけないと思わなくて済みます。

これが仮に黒田選手がいなくて、総合力で戦うチームだったら2区で自分で一気に順位を上げなければ優勝できないとなって余計な力みを生んで、ペースはそこまで速くはないのに気持ちで突っ込んでいるという状況になってしまい

それで2区で立て直せなければ3区以降に伝染していくという負の循環に陥ってしまいます。

今回は5区黒田選手がいたからこそ、絶対的な安心感がありそこまで力むことなく自分の力通りの走りを2区以降できたのではないかなと思います。

ただ、これが2区も焦ってしまって順位を上げられず15~18位とかで3区に繋いでしまって、5区までシード圏外だった場合だと黒田選手も追い上げるだろうけど往路優勝までは当然無理だろうし、

6区以降もあんなに良い走りはできなかったかもしれませんね。

6区も安定した走りでスタート

箱根駅伝の良いところは5区が終われば6区は次の日になるということで、流れがリセットされるところです。

僕は、箱根駅伝においてとくに往路の1区、復路の6区それぞれその日のスタート区間が大事だと思っています。

1区は先に書いた通りで、6区も前日までの悪い流れを簡単に変えることもできますし、逆も然りだからです。

早稲田が前回優勝した際に、なぜ優勝できたかといわれると僕は1区と6区のスタートダッシュが上手く決まったからと思っています。

今回であれば、青学の6区は1年生、しくじる可能性はありましたし、他の大学もここに付け入る隙があるだろうと思っていましたが、石川選手は区間3位と100点の走りをして盤石な態勢を築きました。

ここで総合2位だった國學院の後村選手が6区区間8位とちょっと奮わなかったのが痛かったですね。

ここで石川選手と同タイムで走っていれば(仮の話です。)、7区で追いつけるタイム差となってそこで逆転となっていれば、今回の青学のような7区以降、ノビノビ走って後続を引き離すということはなく(國學院は7区区間賞)

國學院と復路に入って優勝を争うという例年と違う流れで戦うことで、挑戦者であり後から追い上げてきている押せ押せムードの國學院の方がいける可能性はあったかもですね。

まぁそれをさせなかった青学が強いですし、それができなかった國學院はまだそこが弱い部分なんだと思います。

後村選手は自分が差を詰めないといけないという力みがあったのかもしれませんね。これが流れというものです。来年に期待ですね。

流れがあろうがなかろうが、自分の走りができる選手が本当のエース

結局は、どんな状況だろうといつものパフォーマンスを発揮できるのは、チームのエースと呼ばれる選手であると思います。

どういう心境でいれば、いつも通りの走りができるのかというのを日々考えて、メンタルトレーニングをすることで箱根駅伝だけでなく

世界の舞台で走るとなったときに、いつもと変わらぬ心境で自分のパフォーマンスを発揮できると思います。

たぶんですが、日本代表に決まった瞬間から自分の取り巻く環境や周りの人の反応が変わります。

それにどうしても振り回されて、当日スタートラインに立つときには、自分が自分でない感覚になっているのではないかと勝手に想像しています。

他人はなんと言おうと、一番は自分です。自分の走りをしてきたからこそこれまで結果を出してきただろうし、これからもそれを続けていれば自然と周りも認めてくれます。

無理にこうならなきゃと思うのではなく、自分はこうだと思うことで落ち着いたパフォーマンスを発揮できると思うので、ぜひ走りだけでなくメンタルも磨いてほしいという願いを込めて終わります。

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