コーチング

選手同士で話合ってメンバーを決める件について

こんにちは!志方です。

日本の風物詩である駅伝シーズンもお正月でひと段落しました。駅伝では各チーム7~10人の代表選手でタスキを繋ぐレースになります。そのメンバーは基本的にはそのチームの監督、コーチが話し合って決めます。

ですが、僕の母校である西脇工業では監督がメンバーを決めるのではなく、選手同士で話し合って決めるという他にはないメンバー選出の仕方が普通になっています。今日は、それについて僕が思うことを書きたいと思います。

選手同士で決めることのメリット

監督、コーチにアピールしなくて済む

自己アピールのイラスト(男性)

監督やコーチが選手を決めるとなると、選手は当然メンバーとして走りたいので、監督やコーチにアピールをしなければなりません。

そのせいで、競争意識が働いて練習で必要以上にペースが上がってしまいます。

外から見ると、練習の質が上がっていると思われますが、自分のレベルに合わない練習や常に100%かそれ以上の練習をするとケガをしてしまったり、疲労からピーキングがうまくいかないようになります。

大学時代や実業団時代では12月になると、練習の質が一気に上がって練習のタイムだけ見ると"優勝するやろこれは"と思う内容の練習をチームメイトはしていましたが、本番ではあれ?と思うことも多く、熾烈なメンバー争いの中、メンバーに入った時点で一つの目標をクリアしてホッとしてしまったのかなと見ていて思いました。

それを、選手同士で決めることでアピールは必要ではなく、選手同士で冷静にお互いの調子やこれまでのレースを踏まえた上で話し合って決めるので、無駄にペースが上がるような練習はありませんでした。

メリットはこれに限るのかなと思います。これがかなり大きいです。

メンバーに入るのが目標なのか、本番で良い走りをするのが目標なのか。

中には前者という選手もいるとは思いますが、普通に考えれば後者の方が良いに決まっています。

選手同士でもアピールしようと練習のタイムが上がるのでは?と思うかもしれませんが、選手同士普段からコミュニケーションを取り合っていたり、話合いの場でしっかり話合えれば大丈夫かと思います。

たくさんの人で話し合えるから納得のいくメンバーになる

監督やコーチだけだと、少ない人数で(最小だと2人)メンバーを決めるのに対して、選手同士で決めるとなると、10人以上の人数で話し合えます。

様々な角度から評価することになるので、偏った考えでメンバーを選出することがなくなります。監督、コーチだと、練習時の姿しか見ていないことが多く、その人の性格や日々の姿勢(監督が見ていない場所で)というのは100%わからないところがあります。

そういったところも、選手同士だと監督が見切れない部分も見ているところもあるので、区間配置とかにも活かされるところがあります。

何回も議論されて、選手全員が納得した上でメンバーを決めていくので、たとえそれで負けたとしても区間配置やその選手を使ったからといった不満はなかったです。

やはり、監督、コーチが決めると選手の中にはなんで?という声も出てくることがありました。

選手同士で決めるデメリット

体育座りをする男の子のイラスト
こんな感じで座って円になって話し合います。

メリットばかり上げましたが、当然デメリットも存在します。

西脇工業でも、昔に選手同士でメンバーを決めて失敗した話があって、当時の高校最高2時間3分21秒を出した1994年時の歴代でも最強メンバーと呼ばれる小島忠さん、石本さん、木庭さん達の県駅伝では、あまりにもメンバーが強すぎたために、遊びでオーダーを組んでしまい、まさかの報徳に負けてしまい2位となってしまいました。(記念大会だったため、近畿枠で全国は出場)

エース格が3人、2年生にも前田さん、黒田さん、岡田さんと翌年のエース格の人たちが3人もいたため、何やっても勝てると油断していたそうです。

そういうこともあるので、選手同士で決めるとなると監督とは違って、考え方が未熟な部分もあるので、そこが悪い方向に向かってしまうと、こういった勝てるレースを落とすこともありえます。

そのほかのデメリットは、高校までだったら選手同士で決めても良いと思いますが、大学、実業団となるとその選手それぞれ、その後の競技人生がかかっているので、そんな簡単に選手同士で決めることができません。

大学生だったら、その後の進路に多大な影響を与えますし、実業団だと選手の査定に影響します。

だから、選手は走るために必死にアピールします。

結論 : 選手同士で話し合って、最後は監督が判断すれば良い

やはり、選手で話し合うという良さを活かしたいと思うので、話し合ったうえで最終判断は監督がやるというのが一番かなと思います。

選手同士で話し合うのもコミュニケーションの場になりますし、やっぱり納得のいく形になりやすいです。それでもデメリットで出たようなその選手の人生がかかってくる部分があるので、そこは監督を通すことでより納得することになるのかなと思います。

監督、コーチと選手の考え方のズレを確認することもできますし、そのズレを選手に確認することでも、選手、監督間のコミュニケーションになると思います。

いかがでしたでしょうか。みなさんはどれが良いと思いますか?当然、監督コーチで決めた方が良いと考える人もいるでしょうし、このブログを読んで僕のような意見もアリじゃないかと思ってくれる人もいてくれるんじゃないかと思います。

いろんな意見、もしよろしければコメントにください。

それでは!

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