みなさん、こんにちは!志方です。
マラソンに向けて練習をするときに、大きくわけて4種類の練習メニューがあります。
- jog
- ロング走
- ペース走
- インターバル
これらの中でも細かくすれば、種類は増えるんですけど(変化走とか)、今日はペース走について解説したいと思います。
マラソン・ランニングのオンラインコーチングもやっています。(https://runfarmer-shikata.com/?page_id=17)コチラからお気軽にお問合せください。まであとTwitter,Instagramもやっています。
ペース走の効果ややり方
ペース走は、よくペーラン(ペースランニングの略)や海外だとテンポ走、中には閾値走と呼んでいる方もいらっしゃいます。
ペースを決めて、それを一定に走り続ける練習になるので、ペース感覚を養ったり、心肺機能の向上、スピード持久力の向上 などが挙げられます。
それに加えて、インターバルよりは遅いけど、距離走よりは速いペースでの練習になるので、心理的な効果を狙った練習にもなります。
そこそこ速いペースをそこそこ長い距離、時間行うので、精神的持久力を養うのにも良い練習ということですね。
よりレースに近い練習になるので、レースに出る前などに最終チェックみたいな意味合いでやったりもします。
先日の、東京マラソン2023で一般でトップだった大学の後輩(2時間15分)は「ペーランしかしてないっすよ!!」と言っているぐらい、マラソンでは特に重要なメニューになります。
5000mまでの距離のレースを目指すのであれば、そんなに必要ないと思いますが、10000mからハーフ、マラソンと目指す距離が増えていくとペース走の重要度というのは、上がっていくのではないかなと思います。
ATペースの向上
ATフィールドではなく、ATペースですが、ATペースというのは言わゆる持久力という言葉に置き換えても良くて
AT=無酸素性作業閾値とのことで、有酸素運動から無酸素運動へ切り替わる値になります。
一般的には、有酸素運動は酸素を取り込んでエネルギーを燃焼させるぐらい比較的強度の低い運動で、無酸素運動というのは、酸素を取り込むことがほとんどできない状態でエネルギーを作りださないといけないぐらいキツイ運動とされています。
要は、有酸素運動であれば楽で、無酸素運動になってしまうと体の負荷が上がり、息が上がり、しんどく感じてしまいます。(有酸素、無酸素運動という分け方はそもそも間違っているという意見もありますが、ここではそう解説させていただきます。)
乳酸が一気に体内に出始めるのもこのあたりで、出始めるというのは処理能力が追いつかないことを意味していて、この自分のATペースを超えてしまうと一気に疲労感が出て失速してしまうことになります。(乳酸と疲労は関係ないので注意)
ATペースというのは、ギリギリの有酸素運動までのことで、それを超えると無酸素運動の領域に入ってしまうから、自分の中でのATペースを向上させるというのは、マラソンにおいて楽に走れるペースがどんどん速くなるということになります。
そのATペースを向上させるメニューで、もっとも良いとされるのがペース走というわけなのです。
ペース走のやりかた
ATペースの向上が、マラソンの記録向上にもっとも必要な要素で、そのATペースを向上させるメニューというのがペース走というのがわかったわけですが
このATペースの向上させるのには、ATペース付近である程度の時間を走ることが必要になります。
ダニエルズのランニングフォーミュラで書かれている内容では、Tペースで20分以内ランニングするのが望ましいとされているけど、
Tペースより少し落としたペースで20分以上持続するランニングも効果があると書かれているので、どちらかというとペースを落として20分以上のペース走をすることの方が多いかなと思います。
ダニエルズ式の計算式はコチラ
V.O2 Running Calculator (vdoto2.com)
ここで書かれているのは、タイムトライアルみたいに追い込むのではなく、ゴール後もまだ走れる状態で終えられるのが大切と書かれています。
ゴール後に膝に手をついてゼェゼェハァハァしないぐらいで終えることが理想ですね。
キツくはないけど、決して楽ではないちょっとキツイペースというのが理想かなと思います。(実際走ると難しい)
レベルにもよりますが、4km~6㎞ぐらいの距離をTペースを目標に一定のペースで走り切ります。
でもそれだと少ない気もするので、レベルが上がれば、10kmとか12kmとかにして、Tペースあるいは、Tペースより少し遅いペースでやるのが良いかなと思います。
でも、声を大にして言いたいのは、Tペースばかりに気を取られるのではなくて、今の自分の状態を考慮した上でペース設定することです。
僕なんかは、Tペースなんかは考えずにできるペースでやることを心がけています。最後まで行けないと意味がないですし、きつすぎるとそれはそれで目的が変わったメニューになってしまうので注意が必要です。
日によって状態も変わりますしね。
ペース走に限らず、速いペースをやり続けるから強いのではなくて、自分のできる範囲のペースをやり続けることが強くなる秘訣なのかなと思います。(楽すぎてもダメですが)
ペース走がまだできない人はクルーズインターバル
いきなりペース走をやろうとすると慣れてない人とかだと、結構きつかったりします。
そういう人はクルーズインターバルという練習もあります。
クルーズインターバルはペースはTペースで走るんですけど、距離を短く区切って名前の通りインターバルで行います。
例えば、1600m×4などのように疾走距離を1600mと短くして短めの休憩(1分とか)を挟みながら行います。
クルーズインターバルがある程度できるようになったら、ペース走にチャレンジしても良いですね。
レベルの高いランナーでも、目標とするタイムでペース走ができないのであれば、クルーズインターバルでまずはやってみて、できるようになったらペース走をやるようにするのもアリですね。
志方の場合
実は、大学1年目までの自分の中で走れていた時期というのは、このペース走という練習が自分の中で一番得意でした。
ある程度速いペースを維持しながら走るコツというのが、当時感覚的にわかっていたのでこのメニューは外さない自身がありました。
そこからぬけぬけ病を発症して、特にこういう速いペースを維持しながら長い距離を走るということが一番症状が出てしまうので、逆に一番できない練習になってしまいました。
3000mまでの距離なら何とか走れるもんだから、インターバルの練習とかは普通に走れていても、長い距離のペース走やビルドアップの練習なんかは特にできなくなってしまい、レースでも全く走れなくなりました。
社会人2年目で、そろそろ引退というころに自分でメニューを立てた際に、まずやったメニューというのが、
1600m×5のクルーズインターバルでした。
ペースも3分10秒ペースで当時からするとかなり遅いペースだったし、リカバリーも3分近く取っていた気がします。
まずは、そこそこ長い距離をそこそこ速いペースを走る能力を向上させないといけないと思い、最終地点は16000mのペース走(3分10秒ペース)や2000m×5(6分切り)を行えるようになれれば、また走れるようになると考えました。
だから、ひたすらに1600mのクルーズインターバルと、12000mのペース走、距離走を繰り返しました。
2ヵ月ほどで、先に書いた最終地点のメニューはクリアすることができたので、2年目の冬に初めてチームの練習についていけるようになりました。
それから引退して今に至りますが、今でもぬけぬけ関係なくペース走は苦手なままで、今も計算式ではじき出したTペースは3'20"なのに、3'40"~3'35"のペース走をするのがやっとになります。
大会前になると不思議と3'20"くらいで16000m行けるようになるんですけど、大会が終わるとなんでか逆戻りするんですよね。
もっと、ペース走をしつこくやれと最近思うようになりましたが、やはり一度きつくなったメニューは今になってもキツイです。
それでもやらないと、この先のタイム向上にはならないので、ペース走の数を今後は増やそうかなと思います。