農業

苗を定植しました。 定植するときの注意点

4月 28, 2023

みなさん、こんにちは!志方です。

前回マルチシートについて書きましたが、マルチシートを張ると次は野菜の種を蒔いたり、苗を定植したりします。

今の作業としては、苗の定植をしているのでその様子について書きたいと思います。

シカタ

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種まきより定植が良い理由

畑で野菜を育てるときは、直接畑に種を蒔くのか、一度ビニールハウスの中でセルトレイやポットに種を蒔いて育苗(苗まで育てること)してから、畑に植えるのか

この2種類の方法が基本となります。大根やニンジンなどの根菜類(根っこを食べるような野菜)は、直接畑に種を蒔かないと、うまく育てられなくなったり、股割れなど商品価値がなくなるようになったりします。

他の根菜類や一部の野菜を除いては、ビニールハウスの中で育苗してから畑に定植する方が良い場合が多いです。

ハウスで育苗することが最大のメリット

このハウスいくらするんだろ?

育苗は基本的にビニールハウスで行います。

ビニールハウスで育苗するのには、以下のようなメリットがあります。

  • 天候の影響を受けにくい
  • 病害虫、動物の被害を軽減できる
  • 出荷時期を調整できる(こちらの地域では主に時期を早められる)

天候の影響を受けにくい

ビニールハウスを見てもらうとわかるんですけど、ビニールで囲っているので当然雨や雪が中まで入ることがありません。

だから雨が多くて生育が遅れてしまうとか、雪が積もってしまって枯れてしまったとかそういうことにはなりません。

自然現象に影響をあまりされずに栽培することができるので、設備さえ整えれば年中栽培することも可能です。ただ設備に関してはかなりの金額がするのと、ウチの地域では冬が寒すぎるのでハウス内の温度を保つのに暖房代がかかりすぎることから、冬でも栽培できるような設備を導入する農家はほぼいないと思います。

育苗に関していうと、種を蒔いてから発芽してしばらくの間はデリケートな時期でもあり、温度と水分の管理というのが大変重要です。それを天気という自然に任せていれば、思うように発芽や発芽後の成長ができないことがあるので、

ハウスで管理をした方が、コントロールしやすいということになります。発芽率が悪い作物でも、ほぼ全部なくらい発芽してくれて、その後の成長もバラつきがなく、いわゆる苗の揃いがよかったりします。

病害虫、動物の被害を軽減できる

かわいい顔して食べにくる

ビニールハウスだと物理的に外部環境と切り離した環境になるので、虫や動物が中にいない中で育苗することができます。

とくに発芽直後というのは、弱い状態なので、鳥やちいさな動物につつかれたりしてダメになったり、虫が寄り付いてしまったりしやすくなります。

そのようなデリケートな期間をハウス内で過ごすことができるので、スタートダッシュでつまずくことなく、成長することができます。

とはいっても、ハウス内を完全に虫がいない状態や動物がいない状態にするのには難しく、やろうとしてもそれなりの設備が必要だったりするのでやっぱりお金が必要だったりします。

ネズミとかだと小さい隙間でも入ってきますし、日中は換気のために左右のビニールをまくり上げるのですが、空けたところからネコが侵入したりします(笑)

(ネコだったらいいんですけどね。)

出荷時期を調整できる

ビニールハウスの中は、太陽光がハウス内の土に吸収されることで閉鎖的な空間内の温度を上昇させます。

要は、外よりも気温が上がりやすいということです。なので、冬の時期でもハウス内で野菜を育てていれば、気温が保たれるので生育が早くなり

露地栽培(外で栽培すること)よりも早いタイミングで野菜を収穫できるようになります。

外で蒔いても発芽できない時期でも、ハウス内で蒔くと発芽することができるので、単純に早い段階で苗にすることができ、畑に定植することができます。

ハウス内の空調設備を整えられたら、冬でも夏野菜を栽培できるし、逆に夏の暑い時期でも冬野菜を栽培することができます。(設備に莫大な投資と維持費がかかりますが)

定植作業

ある程度、苗が育ってきたらいよいよ畑に定植します。

今の時期はサニーレタスを定植しています。とうもろこしは5月に入ってから定植予定です。

マルチシートを張っているので、まずは専用の機械で植えるための穴を空けておきます。手で破いてもいいんですけど、穴が大きくなりすぎてしまうと、土が露出している部分が広がるため、草が生えたり土の流亡だったりが起こりますのでなるべく専用の機械で空けるのがいいでしょう。

定植するときの注意点は

  • 深く植えすぎない (植穴を深く掘らないようにする)、浅植えになりすぎないようにもする。
  • 植え付け前に水を与えておく
  • 根っこを傷つけない

深く植えすぎない 浅すぎても良くない

深すぎず、浅すぎず

植えるときは、根鉢と畝がほぼ同じ高さにくるように植えるようにします。

根鉢というのは、苗が生えている土の部分ですね。ここの上部と、植える場所の土の高さが同じにくるように植えます。

植穴を深く掘りすぎてしまって、深く植えすぎてしまうと土と葉の位置が近くなってしまい、泥の跳ね返りによる病気が発生する可能性が出てしまいます。

あとは深く植えてしまうことで、過湿状態になり発根が悪くなります。根っこがしっかりと張ってくれなくなるんですね。

浅植えにし過ぎてしまう場合も、根っこが露出しやすくなり傷ついてしまうことになります。

適切な位置で定植するようにしましょう。

植え付け前に水を与えておく

植え付ける前に、ポットやセルトレイに水を与えておきます。

水を与えないでいると、根っこが傷つきやすくなって、植え付け後の活着(しっかり根付くこと)がしにくくなったり、単純に生育が悪くなります。

あとは、水を与えることによって根鉢が崩れにくくもなります。結構乾いてるとボロボロ土が落ちちゃうので、そういったこともなく、スッと定植することができます。

根っこを傷つけない

根っこ触ってるけど、強く触ってないからセーフ

基本的なことですが、根っこを傷つけないように注意を払って定植します。

根っこは畑の中で伸びていって、肥料分や水分を吸ったり、野菜自体を支えていたり、実は畑の中で微生物などとコミュニケーションをこの根っこでとってるとも言われています。

そんな大事な根っこを傷つけるなんて当然ダメですよね(^^;)

セルトレイから取り出すときは、なるべく根っこの部分を触らずに、苗の茎の部分を優しく持つようにして取り出します。

ポットの場合は、そこの部分に穴が開いているので、そこに指で押すようにして取り出すようにしましょう。簡単に根鉢が取れますよ。

地味な上に長い作業

定植作業は、セルトレイから苗を出して畑に植え付けるという、地味だけども大事な作業になります。当然これをしなければ野菜になりませんからね。

そして、農家ともなるとこの定植する数がものすごく多い!当然日にちを分けて作業をするので、一日の量は大したことないですが、それでも気が遠くなるような作業になります。

それでもこの先、本来の野菜の形になっていくのを見ていくのが、実は結構面白く、こういう過程で成長していくのかと観察できるのは、農家ならでは。

今後もこんな感じで、農作業の様子を挟んでいきたいと思います。

夏になるとトウモロコシも販売しようと思いますので、ぜひチェックしてください。

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