農業

マルチシートを張りました。マルチシートの効果

4月 18, 2023

みなさん、こんにちは!志方です。

このサイトのホームにも記載しているランファーマーという言葉がありますが、ランのことばかり発信していて、農業のことはほとんど発信していなかったので、これを機会に農業についても少しずつ発信していこうと思います。

市民ランナーのみなさんや走ってない人も、農業について少しでも知ってもらえたらなと思います。

今日は、現在も作業を行っているマルチを張る作業について書きます。

シカタ

マラソン・ランニングのオンラインコーチングもやっています。ホーム (runfarmer-shikata.com)コチラからお気軽にお問合せください。あとTwitter,Instagramもやっています。

マルチシートを張る理由

まずは、マルチシートってなんで張るの?というところについて書きます。

  • 雑草の抑制
  • 地温のコントロール
  • 乾燥防止
  • 土の流亡の防止
  • 病気の予防

名前がマルチなだけあって、いろいろな効果を期待できるのが、マルチシートです。

雑草の抑制

これが一番大きな目的かなと思います。

農作業の大半は雑草との闘いで、雑草が生えることによって

  • 作物より雑草が大きくなると日が当たらなくなるために、作物の生育不良が生じる
  • 雑草に肥料分を吸われてしまう。
  • 風通しが悪くなり、病気が発生しやすくなる
  • 作業効率の低下(雑草が邪魔をする)

などが起こってしまいます。

特に有機栽培にもなると一日の大半は雑草の除草作業に追われてしまいます。

慣行栽培(一般的な農業)でも、有機栽培とまでいかなくても除草作業というのはかなり時間を取られてしまうので、なるべくやりたくはない。

それをマルチシートを覆ってしまえば、ほとんどの除草作業はせずに済みます。マルチシートの構造で光を通さないので、雑草に必要な日光を浴びることができなくなり、雑草が生えなくなるということです。

それでも、穴という穴を見つけてはそこから生えてきたりはするので、完全に除草作業がゼロになるわけではありません。

地温のコントロール

次に大事なのは、地温のコントロールができることです。

とくに、僕の住んでいる野辺山だと、作物を畑に植えるのが大体4月中旬あたりになるのですが、その時期だと普通に寒かったりするので、生育に必要な温度が足りなかったりします。

そのために黒色のマルチシートを張ることによって、地温を上昇させて、作物の成長を助けてあげます。トウモロコシなんかは、暖かい方が良く育つので、よっぽど遅く苗を植えるところ以外は黒マルチを使用しています。

で、今度は逆に夏の時期に作物を植える場合は、温度が上がりすぎてしまうので、地温の上昇を抑えるために白色のマルチシートを張ります。効果は黒色と逆なので、説明は不要かと思います。

こんな感じで、作物に最適な環境を与えるのにもマルチシートは効果的です。

乾燥防止

マルチシートを張ることによって、土が露出する部分が減るために、表面からの水分の蒸発を防ぐことができます。

なので、適度に雨さえ降ればとくに水やりをすることなく、作物を育てることができますし、作物に適度な水分を持った状態になるため、採れたてを食べるとみずみずしいと感じることができます。

土の流亡の防止

土が常に露出している状態だと、強風や雨が降った時に土が舞って行ってしまったり、雨で流れてしまったりします。

これは結構な損失で、それまでに撒いた肥料や堆肥などによって蓄えられた肥料分が流れてしまうことになってしまいます。

畑の話ではありませんが、山の土は1センチ堆積するのに100年かかると言われています。さすがに畑の土はそこまで時間がかかることではありませんが、土が流れてしまうというのは、それだけ積み上げてきたものを失うということです。

それをマルチシートで覆うことによって防ぐことができるんです。

病気の予防

作物というのは、常に病気の危険性にさらされていて、特に畑の土というのはいろいろな菌が存在しています。

そんな菌がたくさんいる土に雨が降ることによって、泥が跳ね返り作物に付着することで病気になったりもします。

そういったこともマルチを張ることで、土に直接雨が当たったりしないので、泥が跳ね返ることなんてないんです。(それでも露出している部分はあるので、完璧ではない)

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マルチシートのデメリット

散々、マルチシートのメリットを書きましたが、デメリットも存在します。

  • 使用したマルチシートはゴミになる
  • 張るのが大変

使用後はゴミになる

使用時のメリットばかりに目が行ってしまいますが、作物を収穫し終えて、マルチシートを剥がして、回収して、指定の場所に捨てに行くまでが大変です。

剥がす作業や、回収作業も土のホコリまみれになるので、作業としてはキツくてツライ作業になります。家庭菜園とかでされる方も多少のホコリは覚悟しておいた方がいいです。

そして、このマルチシートは基本的にポリフィルム製品となるので、環境のことを考えたら....。と思ってしまいます。

そんな悩みを解決する生分解性マルチと呼ばれるものがあるのですが、これは、土の微生物が分解してくれて、時間が経つと土にかえる製品です。

じゃあ、これでいいじゃんと思いますが、ポリフィルム製に比べて3~5倍ほどの値段がするので、全面生分解性マルチにすると破綻します。

張るのが大変

マルチシートは機械で張るのですが、すべて機械におまかせというわけにはいかず、こちらの地域では、どうしても面積を有効活用しないといけないために畝幅を狭くして、畝の本数を極力増やしています。

マルチシートを張る時に、マルチがはがれてしまうことの無いように畝とは別の通路の上に土を落としていきます。

言葉で説明するのが難しいので省略してしまいますが、その土の上をもう一人の人が踏み込んで歩いていかなければなりません。

これがなかなか大変で、ある日の踏み込みでは12kmほど歩いています。

毎日とはいきませんが、それでもこの作業をするときは10km前後踏み込んでいます。期間としてはその年の規模にもよりますが、だいたい1ヵ月~1ヵ月半ほどかかります。

雨の日は、土の状態が悪くなってしまうからできないのですが、その分晴れて土が乾いたタイミングでなるべく作業を進められるようにやっています。

ここの作業で、来る収穫期に耐えられるような体力をつけてしまえるぐらい、しんどい作業となっています。

今後もこんな感じで農作業についても書いて、農業について少しでも知ってもらえたらなと思います。

それでは!

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