みなさん、こんにちは!志方です。
現在のマラソンの世界記録保持者はケニアのエリウド・キプチョゲ選手ですが。東京オリンピックでも圧倒的な強さで優勝しました。
そして昨日、このような記事を見つけました。
キプチョゲのトレーニング革命:いかにスロートレーニングはオリンピック王者を最速にしたのか!? (olympics.com)
キプチョゲ選手のトレーニングが、われわれ市民ランナーにも参考になることはないかという観点で、僕なりに考察していこうと思います。
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マラソン世界記録保持者 エリウド・キプチョゲ選手について
知らない方に向けて、エリウド・キプチョゲ選手について触れておきます。
昨年に自身の持つ世界記録を塗り替えました。その記録なんと2時間01分09秒。日本記録が2時間04分56秒なので3分以上速いことになります。(日本記録で走っても1km以上は離される)
そして、非公認ながらもフルマラソンを1時間59分40秒で走ったこともあり、高校生7人でタスキを繋いで走ってもキプチョゲ選手一人に勝てないというとんでもない速さで走る偉人です。
オリンピックでもマラソンでリオと東京で2大会連続で金メダルを獲得していて、特に東京オリンピックでは、圧倒的な力で余裕の金メダルでした。
マラソンに注目されがちですが、トラック種目でもパリ世界陸上の5000mでは、当時の1500mの世界最強だったエルゲルージや、5000m,10000mで最強だったベケレに競り勝ち優勝しています。しかも当時18歳とか19歳とかです。
とにかく、長距離界でトラックからマラソンまで世界のトップを取り続けた史上最強のランナーです。
- キプチョゲ選手 自己記録
- 1500m 3分33秒
- 3000m 7分27秒
- 5000m 12分46秒
- 10000m 26分49秒
- ハーフマラソン 59分25秒
- マラソン 2時間01分09秒
マラソン世界記録保持者の生活
キプチョゲ選手は普段ケニアでトレーニングを行っています。トレーニングは週7日ほぼ毎日走っていて、午前と午後に分けてトレーニングをしています。毎日2部練を走っているわけではなく、たまに午後に休息を入れたりしています。
睡眠時間もきっちり取っていて、21時には就寝していて、朝は5時に起床してトレーニングに向かうそうです。そして昼寝も2時間ほど入れるみたいなので、一日トータルで10時間ほどは寝ていることになります。
野球の大谷選手もかなり寝ることで有名なので、世界のトップ選手ほど、睡眠は大事にしているからこそ、ハードな練習や試合に打ち込めるんだと思います。
食事でも、ケニアという国柄、さまざまなところの技術が発展していないことから、添加物などを摂取することもあまりなく、有機野菜を多く摂っていると聞いたことがあります。
ケニアがまだ発展途上国ということもマラソン世界記録保持者を作る要因になっているとは、技術の進歩は良い面と悪い面がありそうですね。
トレーニング以外の時間には図書館に行って、本を読んで常に勉強をしているみたいです。
と、ここまで見ると仙人のような生活で、ケニアというまだ技術が進んでいないからこその生活という感じですね。
先進国の日本でここまでの生活をできる人は、なかなかいないと思います。
キプチョゲ選手の練習
キプチョゲ選手は80:20の法則でトレーニングを行っています。
その80%が低強度、残りの20%が中強度や高強度でメニューを組み立てているそうです。
低強度に関してはリラックス、イージーペースとされていて、先程URLを載せた記事では4分30秒~5分ペースで走ると書かれています。
中強度はモデレートといって、適度なペース。簡単に言えば速いペースと遅いペースの間なので、きつくもなければ、楽すぎるわけでもないペース。市民ランナーにとっては閾値・ペース走かそれよりも少し遅いペースなのかなと思います。僕でいうと3分40秒~4分ペースあたりになります。キプチョゲ選手だと高地のケニアで3分10秒~20秒あたりになるのかな。
高強度は、スピードをしっかり出して走るメニューなので、字のごとくしんどいメニューになります。インターバルやファルトレクがここのゾーンに入ってくるのかなと思います。
キプチョゲ選手のメニューは結構ネットで調べれば出てくるのですが、キプチョゲ選手にしてみればペースが遅いです(十分速いが)。キプチョゲ選手がトレーニングを行っている場所は標高が高いので、タイム以上にキツイはずです。平地で行えば、もっと速く走ることになると思います。
先程、記載したURLの記事では特に低強度に着目していて、あの世界記録保持者でも4分30秒~5分のペースで走るというところを強調したい内容でした。
僕も、そこに一番関心を持ったのですが、ネット上では、"標高が高いうえに起伏が多いコースで走っているから4分30秒~5分でも実際はもっとキツイ"という意見をされている方もいました。
おそらくこの意見に関しては、心肺的な部分の強化について書かれているのと思うのですが、僕はそこじゃなくて、4分30秒~5分/kmで走る際の着地の衝撃を体に与えることが重要なのかなと思いました。
疲労回復が目的か、脚作りが目的なのか
この低強度について、キプチョゲ選手の目的は何かというのが気になるところで、それは日々の厳しいトレーニングから回復させるためのjogになるのか、あるいはゆっくり走ることで脚作りを目的としているのか。
たぶん両方なのかなと思うけど、この記事では疲労回復を強調しているので、もしそれが本当ならば、トレーニングの大部分80%は疲労回復のトレーニングとなります。
大迫のコーチであるピート・ジュリアンも、週間メニューを組む際はリカバリーランを中心にメニューを決めるそうです。
このことからもマラソンを走るためには、疲労をいかに抜いていくのかが最も重要になってくるのかなと思います。
トレーニングはピラミッド型
よく長期のトレーニング期を設ける際に、最初は土台作りなんて言われることがありますが、トレーニングの計画を組む際はピラミッド型になるように組むようにするのがいいかもしれません。
簡単に言えば、土台部分にあたる低強度が最も回数や距離を走るべき練習で、次に中強度、最後とんがっている部分が高強度となるようにするのが大事かなと思います。
どうしても、高強度の練習に目が行きがちだけど、その高強度は土台である低強度がしっかりとできているからこそ、やれているので、低強度からおろそかにしないことが重要であるとこの記事を読んで再認識しました。
僕自身の考えを改める必要性
キプチョゲ選手ですら、4分30秒~5分/kmというペースでjogを多く行っているので、僕自身ももう少しjogのペースを抑える必要があるのかなと考えなおす必要が出ました。
キプチョゲ選手に限らず、川内優輝さんも基本は20kmを5分/kmでjogするそうで、トップ選手でも低強度のjogのペースは比較的ゆっくりとしたものとなります。
散々、良いjogをしていきましょうと当ブログでも書いてきましたが、良いjogとは何か。それはペースで考えるのではなく目的を考えるべきなのかなと思います。
もう少しjogもペースの幅を持たせて、速いときは4分/kmで走ることもあれば、ゆっくりで5分/km以上かかる日もあるなど、いろいろなペースで走り、いろいろな着地の衝撃を体に与えるべきなのかなと。
ペースにとらわれすぎたjogをここ数年やってきたのかなと思うので(特に速さ)、jogから見つめなおそうかなと思いました。
キプチョゲ選手から学ぶべきこと
まとめに入りますが、キプチョゲ選手から市民ランナーのみなさんでも学べるところは
- 睡眠はとろう(早めに寝る)
- 食事はしっかりとろう(なるべく添加物のないように)
- 低強度のトレーニングこそ大事にしよう
さすがに全部はマネできないので、できるところからマネしていきましょう!